『幻獣調査員』

幻獣のいる世界——それは恐ろしく、美しく、そして愛おしい。人と幻獣の関わりが生む、残酷で優しい幻想幻獣譚!

著:綾里けいし illustration:lack

文庫発売記念! 読み切り短編「『闇の王様』を待ちながら」の項目へ

幻獣

幻獣調査員

幻獣の生態系の調査、国への報告、獣害の対処も行う国家の認定した専門家が『幻獣調査官』。

Character

フェリ・エッヘナ

幻獣調査員の少女。幻獣も人も傷つかなくてすむ世界を望み、その実現のために幻獣書を作成している。

クーシュナ

兎頭に山高帽、夜会服を着た半人半獣の幻獣。普段はフェリの影に潜み、闇の力を操る。その正体は謎に包まれている。

トロー

フェリに造りだされた試験管の小人【ホムンクルス】の亜種。その特殊な感応能力で、他のホムンクルスたちと連絡をとることができる。

Story

【第1話  飛竜と娘】を読む

「幻獣書、第3巻185ページ—『アガンシア村の飛竜【ワイバーン】』」

その村は飛竜の獣害に遭っていた。飛竜は毎日、家と畑を焼き、家畜をさらってゆく。しかし決して人を殺しはしなかった。フェリは村人たちに頼まれ、怒れる飛竜の捕獲に乗り出すが——。

【第2話  バジリスクの卵】を読む

「この村にバジリスクが産まれるであろぉおおおおおおおおおおおおおおっ!」

占いばあばの予言のせいで、村は混乱に陥った。視線だけで見る者を石に変え、吐く息で疫病をもたらす幻獣バジリスク。

【第3話  マーメイド】を読む

「幻獣書、第1巻93ページ—『人魚【マーメイド】—地域固有種を除く』」

人魚に愛された青年がいた。人魚の助けによって嵐にも遭わず、常に大漁に恵まれる青年は周りの漁師から疎まれていた。

【第4話  妖精猫の猫裁判】を読む

「……………一体、今のはなんだったんだ?」

魚泥棒に悩まされていた老人は、ある夜、犯猫を見つけこらしめた。やりすぎたかと後悔する老人の前に、その泥棒猫がたくさんの仲間を連れて姿を現した。

【第5話  水に棲む馬】を読む

「幻獣書、第2巻56ページ—『水棲馬【エッヘ・ウーシュカ】—第一種危険幻獣』」

その娘は湖畔で姿を消し、肝臓のみが岸に打ちあげられた。その湖に棲む水棲馬は、人を幻惑し食らう、存在自体が獣害とされる危険な幻獣。

【第6話  子供部屋のボーギー】を読む

「『子供部屋のボーギー』は妖精種に属する幻獣だけれども、実在はしないわ」

家畜を助けた礼にと、フェリたちは一軒の民家に泊まっていた。くつろぎ、家主との会話を楽しむフェリと違い、トローはやんちゃな三兄弟のおもちゃにならないよう、鞄の中に身をひそめていた。

【第7話  ライカンスロープ】を読む

「その幻獣種は、幻獣書に記されていない」

数か月もの間バンシーが泣き続け、『妖精の葬列』の棺桶に入った人形には顔がない。妖精たちの『死の予告』が狂った村では、娘たちが次々と謎の獣に襲われ、消えていた。

カクヨム掲載分にくわえ、文庫ではフェリとクーシュナの秘密に迫るエピソードを収録!

闇の王様のお話

「愚か者が。この我に、毒虫ごときが何を言うか」

特別に強い幻獣を父に、闇そのものを母に生まれた王様は、ひとりぼっちの城で自分が生まれた意味を考えていた。ある日少女がやってきて、なし崩し的に居ついてしまい——。

旧き竜の狂気

「それは怯え絶望し恐怖しながら、歓喜していた」

『旧き竜が目覚めた』——放置すれば、地は毒で荒れ地に変えられ、たくさんの生き物が死に、生態系が狂ってしまう。幻獣調査員の少女は、一刻も早くと、竜が目覚めた砂の地へと向かったが——。

夏の夜の夢

「我も花は好きだ」

約束の日々は過ぎた。闇に封じられた彼は、時折甦る温かな記憶に苦しみながら長い時を過ごし、そして闇と自分の境界線すら曖昧になりかけたころ——再び自分を呼ぶ声を聞く。あまりにも懐かしく優しいその声——。

文庫発売記念の読み切り短編をカクヨムに掲載中!

【読み切り
『闇の王様』を待ちながら】を読むを読む

「明日になったら私の願いごとを一つ聞いて頂きたい」

世界の果てのような草原で妖精たちに守られてひとり暮らす彼は、ずっと闇の王様を待っていた。だがやっと現れた王様は、ただの少女を庇護し、行動をともにしていた——。

各ストーリーのつづきは文庫&カクヨムで!